パラサイト 半地下の家族 評価・感想まとめ
「パラサイト 半地下の家族」(原題:기생충 英題: Parasite)は、2019年に韓国で公開された映画です。カンヌ国際映画賞でパルムドール賞を受賞、アカデミー賞では作品賞を含む6部門受賞し、全世界で絶賛された作品です。監督は、「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」など制作を務めたポン・ジュノです。

主要キャラ キャスト 主な作品
- キム・ギテク – ソン・ガンホ 「殺人の追憶」 「グエムル」 「スノーピアサー」
- キム・ギウ – チェ・ウシク 「オクジャ」 「新感染」 「The Witch/魔女」
- キム・ギジョン- パク・ソダム
- キム・チュンスク – チャン・ヘジン
- パク・ドンイク – イ・ソンギュン
- パク・ヨンギョ – チョ・ヨジョン
- パク・ダヘ – チョン・ジソ
- パク・ダソン- チョン・ヒョンジュン
- ムングァン – イ・ジョンウン 「母なる証明」 「オクジャ」 「コクソン」
- オ・グンセ – パク・ミョンフン
- ミニョク – パク・ソジュン
あらすじ
キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……
出典:映画com
日本サイトの評価まとめ
映画com
ユーザースコア4/5 レビュー数937件
経済格差の構図を巧みに描いた演出センスに脱帽します。物語の展開も構図の画面作りなど、描きたいテーマと脚本と演出が素晴らしい。
Yahoo映画
ユーザースコア4.05/5 レビュー数7442件
格差社会の厳しさ、底辺から抜け出すことの困難さ、外国映画ですが、人ごととは全く思えなく、共通の世界を描いた作品です。
Filmarks
ユーザースコア4.2/5 レビュー数102151件
笑いと恐怖を混在させる構成が凄まじく、次の展開が全く予想できない。
海外サイト評価まとめ
imdb
ユーザースコア8.6/10 レビュー数326120件
この10年間で最高の映画の1つです。「パラサイト」と同じような映画は思いつきません。 強盗映画のように始まり、コメディー、ミステリー、スリラー、ドラマ、ロマンス、犯罪、さらにはホラー映画にまで拡大します。物語の展開が予想つかなく、退屈しません。
Metacritic
ユーザースコア8.9/10 レビュー数1084件批評家スコア 96/100 レビュー数52件
「パラサイト」は、映画製作の至高の偉業であり、邪悪で不条理な物語にどんどん深く引き込まれます。
Rotten Tomato
ユーザースコア90/100 レビュー数7262件批評家スコア 99/100 レビュー数426件
物語全体を通して、監督のカメラワークと脚本は非常に繊細であり、キャラクター設定を丁寧掘り下げていて、キャラに深く共感することが出来ます。
豆瓣
ユーザースコア8.7/10 レビュー数908794件
あまりにも暗い気持ちになります。この映画を見ているときに無意識に自分の体の匂いを気にしてしまいます。
다음
ユーザースコア7.9/10 レビュー数8536件
監督が伝えたいことが明確に現れたブラックコメディであり、資本主義、階級社会の悲劇、底辺である絶望、見ていて心が苦しくなる社会風刺です。
КиноПоиск
ユーザースコア8.1/10 レビュー数118548件
「パラサイト」は、間違いなく、世界中の視聴者の愛を勝ち取り続けている独創的な韓国映画であり、素晴らしく模範的な作品です。繊細な人間性を核とした印象的な作品で、登場人物は、どんなに悪く見えても、同情してしまい、理解できてしまいます。
平均スコア:8.5/10
ポイント
- 脚本の完成度が高い 格差社会の恐ろしさをリアリティに描いている。
- 考えさせられる内容 富裕層と貧困層の視覚的に表現していて、人間の本質を深く考えさせられる。
- 緊張感があり、退屈しない 身分の偽りがバレないか緊張感があります。
- キャストの演技力が素晴らしい 貧困者としての怒り、悲しみといった感情の演技が素晴らしい
- コメディ要素が面白い キム一家の貧しいながら陽気に生きる姿がコメディカルに描かれている
- 先が読めない 主人公サイドが正義な訳ではなく、どういった結末になるか予想がつかない。
- 共感できる内容 格差社会という全世界共通の問題を描写していて共感しやすい。
※ネタバレ注意
こんなに全世界で大絶賛されている作品は久しぶりかもしれません。その分期待値は高かったのですが、期待どうりの作品でした。
キム一家はあまりにも貧相で、半地下の汚れたアパートで暮らし、ネット回線もない生活で、一般人からしたらあまりにも現実ばなれしてる日常生活でした。ですがキム一家の生活を見てると絶望は感じられず、どこか陽気に暮らしていて、たくましさを感じられました。友人のミニョクの紹介で仕事を貰える幸運にも持っていて、絶望な状況でも友達の大切さが感じられました。
このキム一家がパク一家にパラサイトする過程を見てると、勉強の教え方、書類の偽造、運転技術、料理など才能あふれる要素があり、なんでキム一家がこんな底辺生活してるのか不思議でした。才能があっても学歴、生まれなどで地位が決まってしまうのが格差社会の恐ろしさかもしれません。
才能の無駄遣いが凄く、すべて悪意なある行為なっているのが悲しいです。しかし、この悪意のある一連の流れがコメディタッチに描かれていて、騙されているパク一家を見てると楽しく思えてしまいます。
テンポ良く、キム一家が寄生していく展開とパク一家に身分がばれないか緊張感のある展開で退屈することなく物語が進行します。このコメディ要素から家政婦と地下の謎が明らかになり、突然、サスペンス、ホラーにジャンルが変わる展開には驚きました。
この作品は決して主人公サイドが善というわけではないので先の展開が予想できないのが魅力だと思います。富裕層のパク一家も善人ではなく、キム一家を見下しており善人なわけではありません。 どちらも人間としての闇の部分があり、落としどころが予想できないのです。
人として許されない行為をしてきたキム一家ですが、大洪水が起こり、半地下に戻った時の惨状は同情できる部分もあります。同じ人間でも貧富の差がある光景を映像で表現する監督の手腕には感動します。
最後まで予想のできない展開の連続でラストを迎えますが、あまりにも暗いラストを迎えます。ですが少し希望のある解釈が残されているのが救いかもしれません。現実的に考えたら確率はあまりにも低い希望ですが、少しでも希望のある終わり方をしてくれたのは良かったです。